妊娠初期のつわりを乗り越え、安定期の中期も過ぎ、いよいよ妊娠も最終段階。臨月となった妊婦さんには、やるべきことがたくさんあります。
臨月だからこそ気をつけるべきこと、出産に向けて準備しておくことがありますので、ひとつひとつご紹介していきましょう。
臨月の時期は
臨月は、妊娠してから36週~40周目のことを指します。お腹に赤ちゃんがいるのは、十月十日と言いますが、まさに10ヶ月目が臨月なのです。
臨月には今までとは違う体の反応が次々と出てきます。妊娠初期の頃のように体調の変化が現れることもありますので、具体的に見ていきましょう。
臨月の体調
臨月に差し掛かると、妊娠初期のようなつわりを感じることがあります。これは出産に向けてホルモンバランスが変化することも関係していますが、お腹が大きくなり胃を圧迫していることも関係しています。
主に臨月でも初期の頃に起こることが多いですが、赤ちゃんの位置が出産予定日に近づくにつれてだんだん下がってくるため、徐々に胃の圧迫感は弱まってくるでしょう。
基本はいつもと変わらない生活を
出産まで後1ヶ月を切って、子宮口が少しずつ開いて胎児が骨盤内に降りてくるようになります。そうなると安静にしていなければと寝たきりになってしまう方もいるのですが、陣痛が始まるまではいつもと変わらない生活をしましょう。
もちろん安静を言い渡されている場合はその指示に従うべきですが、何の問題が無いにも関わらず寝たままでいると、体重オーバーになってしまったり妊娠高血圧症行群や糖尿病になってしまう可能性もあります。
分娩の目安は子宮口が10cm開く事ですが、初産婦の場合は1cm開くのに1週間かかると言われているので、検診の度に子宮口が開いてきていると言われても、即出産とはならないので安心してください。
焦らずどっしり構えるのが大事
出産のカウントダウンを数える頃になると、ちゃんと出産できるのか・何か問題が起きるのではないか・赤ちゃんに異常が見つかるのではないか、とあれこれ考えて不安になる方も多いです。
もちろん出産は未知の体験なので不安は付きませんが、出産が命がけだった昔ならいざ知らず現在は医療も充分発達していますから、ほとんどの女性は問題なく赤ちゃんを出産しており、また医師・助産婦・看護婦もお母さんも赤ちゃんも元気な状態で出産を終えるために全力でサポートします。
出産はお母さんだけではなく赤ちゃんの頑張りと周りのサポートもあって行われるものですから、一人であまり悩まずにお腹の赤ちゃんや医療関係者を信頼しましょう。
定期健診は必ず行きましょう
臨月になると定期健診は1週間に1回となります。身体が一番重くなる臨月は家の中を動くのも億劫ですから、検診が頻繁なのを逆に考えて1回くらい行かなくても大丈夫だろう、なんて考える方もいるかもしれません。
しかし検診回数が増えるのは子宮口の大きさや胎児の状態を詳細に観察する必要があるからで、妊婦の状態によってはそのまま入院・出産なんて事もありえます。
また、胎児の状態がどうなっているのかお母さんは知る事はできず、胎児の異常を発見するのは病院の検査以外にありません。お母さんに何らかの症状が出た場合は手遅れの可能性もありますので、必ず定期健診に行くように心がけましょう。
陣痛促進の為にできること
臨月に入ると、いつ陣痛が来るのかそわそわしてしまいます。なるべくなら早く来て欲しいと思っている方もいるのでは。昔から雑巾がけやトイレ掃除は安産に繋がると言われていましたが、それは股関節を柔らかくして骨盤底筋群を鍛えておけば骨盤がスムーズに動くようになり、赤ちゃんが回旋異常を起こす事無く出産できるからなのです。
今は運動不足やダイエットなどで身体の内側の筋肉まで細くなっている女性が多いので、微弱陣痛が続いて出産が長引くのも珍しくありません。休み休みで構わないので、安産の為に拭き掃除をしっかり行いましょう。
食べ過ぎに注意
臨月になると、あとひと月という油断と、胃の圧迫から解放されるため、食べ過ぎてしまう傾向があります。今まできちんと体重管理をしてきたという方も、あと少しという気持ちの緩みから、つい食べ過ぎてしまうようです。
また臨月はお腹が大きくなっているので、食べ過ぎによる肥満を感じにくくなってしまいます。体重計で測ると増えているものの、見た目はもともとのお腹の大きさを見ているので、さほど太っているように思わないのです。
しかし、臨月の時期に増える体重はごくわずかです。急激な体重増加は全て脂肪となってしまいますので、注意しましょう。
臨月太りのリスク
妊娠中はしっかりと食事管理をしていても、臨月になると気が緩んで食べ過ぎてしまうことがあります。しかし臨月こそ最も太ってはいけない時期でもあるのです。
この時期に多くの脂肪を身体に溜め込んでしまうと、産道に厚みが出てしまい、難産となってしまう可能性があります。また妊娠中期~臨月にかけて急激に太ってしまった場合は、出産できないほどお腹周りが太ってしまうことがあるため、最悪の場合、帝王切開する可能性も出てきます。
帝王切開すると、出産後のホルモンバランスが崩れやすくなるだけでなく、今後出産できる子供の数が限定されてしまうため、臨月の激太りは避けるようにしましょう。
体重管理は1日3回
臨月は妊娠中で最も体重管理を徹底するべきです。こまめに体重の変化を見るためにも、1日3回体重計に乗ると良いでしょう。体重計に乗ることで、総合的に食べ過ぎないようコントロールすることができます。
また、体重計に乗ることにより、食べ過ぎてはいけないと自己抑制にもつながるのでオススメです。体重はグラフなどにすると変動がわかりやすいので、体重計の側に貼り付けておきましょう。
臨月に上の子とはどう接する?
この時期、上の子はなんとなくお母さんがこれから赤ちゃんの世話に忙しくなって、前のように自分を見てくれなくなる事を分かっています。
ですから、臨月の自分も苦しい時期に限って上の子が急に甘えてくるようになって困った、なんて思うお母さんも少なくありません。下の子が産まれるまでは上の子と一緒にいて、お母さんの愛情が減ってしまうわけでは無い事をしっかり実感させましょう。
一緒に走り回ったりするのは無理ですが、一緒に昼寝をしたり手を繋いで散歩したりして、できる事を一緒に楽しんでみては。また、里帰りをした場合は入院しても上の子の面倒を見てくれる人がいるので問題ないのですが、里帰りをしない・親が手伝いに来ないという場合は、なるべく早めに預けられる所を探しましょう。
臨月中にやるべきこと
妊娠初期や中期の頃は、安定が第一に生活していますが、臨月になると出産に向けての準備に切り替わっていきます。
安心して出産するためにも、臨月に入る少し前から、出産の準備を進めておくようにしましょう。思っている以上に臨月は早く過ぎていくものです。やれることからどんどん始めていきましょう。
名前を決めよう
出産したら、子供の名前を役所に届けなくてはなりません。提出には期限がありますので、出産してから考えていると間に合わなくなってしまいます。
臨月中に必ず決めておくようにしましょう。臨月の段階なら、性別はほとんど判断されていますが、出産してみると実は性別が逆だったというケースもたくさんあります。
名前を考えるときは、男の子、女の子の2パターン用意しておくと安心です。人によっては、字画を見たり、姓名判断に出したりと時間がかかる場合もあります。名前は赤ちゃんに送ることができる最初のプレゼントになるので、楽しみながら考えていきましょう。
赤ちゃんアイテムを揃える
出産すると、赤ちゃんにはたくさんのアイテムが必要になります。赤ちゃんが着る洋服や、スタイ、おむつ、引っかき防止の手袋、赤ちゃん用ベッド、ベビーシート、など買い揃えるべきものは上げればキリがありません。
赤ちゃんが生まれてから準備すると遅すぎますので、臨月にはほぼ買い揃えておくようにしましょう。出産後は体調が優れないことも多く、なかなか外へと出かけられない方もいらっしゃいます。出産後に無理をしないよう、おむつだけでなく、夕飯の準備をサポートしてくれる保存食や冷凍食品なども買い込んでおくと便利です。
手作りのアイテム
時間や体調に余裕があるという方は、手作りで赤ちゃんのアイテムを作るのも良いでしょう。スタイや肌着など、簡単に縫える方法が紹介されていますので、気軽に作成することができます。
ひとつひとつアイテムを手作りしていくと、気持ちのリフレッシュになりますし、赤ちゃんに出会うことがますます楽しみになります。
入院グッズの準備
臨月に入ると、いつ出産のタイミングが訪れるかわかりません。人によっては早めに出産の兆候が現れる場合もあるので、入院グッズの準備は早めに整えておくようにしましょう。
赤ちゃんのアイテムの他、お母さんが入院時と退院時の服と入院中に着る服、記念写真を撮るためのカメラも忘れず準備しておきましょう。一気に用意するのではなく、大きなカバンを開けておき、これが必要かな?と思ったアイテムを放り込んでいくと、確実に準備することができます。
まとめた荷物は、玄関などわかりやすい場所にスタンバイさせておきましょう。
出産時の交通手段の手配
出産の兆候が現れたら、すぐにかかりつけの病院へ行く必要があります。休日や夫が在宅中なら問題ありませんが、自宅で1人だけという場合もあるでしょう。さまざまな状況を想定し、夫がいない場合は、実家の両親や夫の両親に連絡、それでも繋がらない場合はタクシーを呼ぶなどメモに書き留めておくと安心です。
それぞれの電話番号をメモしておき、病院の住所も書いておきましょう。陣痛が始まると、冷静さを失ってしまうのでいつもどおりに行動できないこともあります。頭が真っ白になって病院の行く先が告げられないといこともあるので、必ず住所と電話番号をメモに書いておいてください。
また、市町村によっては、出産時のサポートをしてくれるタクシー会社を紹介してくれることもあります。通常より安い料金で病院へ行くことができますし、すぐにタクシーを呼ぶことができるので、役所に問い合わせてみましょう。
入院に最低限必要なもの持ち歩く
もう、いつ陣痛や破水が起きてもおかしくない時期ですが、だからと言ってずっと家の中に篭りきりなのも心身面によくありません。
臨月でも家の近くに出かけるのはよい気分転換になりますが、その時に万が一陣痛が起きてしまっても大丈夫なように、最低限の持ち物はいつも持ち歩くようにしましょう。
母子手帳と診察券・保険証、それから陣痛が強すぎてタクシーの運転手に行き先を言えない場合の病院の住所と電話番号を書いた紙などがあれば、とりあえず安心です。バッグに余裕があるのならば、破水してしまった時のためのナプキンや大き目のタオルを入れておけばバッチリですね。
夫婦で出産イメージを共有
臨月に入ると、出産についての説明や赤ちゃんが生まれてからのお世話の方法など、産婦人科が教室を開いて教えてくれます。
夫婦揃って出席し、勉強することで出産も子育ても慌てずスタートすることができるでしょう。赤ちゃんの人形を使って具体的に教えてくれるので、実践しながら習得することができます。
産後のケアも考えてみましょう
陣痛から出産までの段取りはパートナーと一緒にすでに確認し終わったという方も多いですが、出産後の事も含めてもう一度見直してみましょう。
出産後は赤ちゃんの世話をしているうちに1年が過ぎてしまった、なんていうくらいバタバタしていますが、この期間に自分をきちんとケアしないと閉経後に様々なトラブルに悩まされる事になります。
産後は皮下脂肪が流動的で骨盤が広がっているので、なるべく早いうちから運動や骨盤ケアを始めると妊娠前よりスタイルがよくなる可能性だってあります。今プランを立ててもその通りに行かない事が多いですが、目安として捉えておくと産後に行動を始めやすくなるでしょう。
臨月に楽しむべきこと
出産の準備がある程度整ったら、臨月中にしか出来ないことを楽しみましょう。赤ちゃんが生まれるとしばらく外出して楽しむことはできなくなります。
映画館や美術館、落ち着いたレストランなど、今でしか楽しめない場所に積極的に訪れていきましょう。また、夫婦ふたりの時間を大切に過ごすことも大切です。
子供が生まれると成人するまで家族で時間を過ごすことになりますので、今しか過ごすことのできない夫婦の時間を楽しんでおきましょう。また、出産するとなかなか話せなくなってしまうため、親しい友人たちと会っておくことも大切です。
まとめ
妊娠が臨月に差し掛かった場合にやるべきこと、注意すべきことについてご紹介しました。臨月となればいつ出産の兆候が現れても不思議ではありません。万全の状態を整えておき、可愛い我が子に会える日を楽しみに待ちましょう。