妊娠期間が4ヶ月目は、段々とつわりや体調不良なども落ち着いてきます。酷かった倦怠感なども落ち着くようになり心身共に安定期に入る準備段階です。しかし油断は大敵です。
安定期前だからこそするべき行動、気を付けることなどもありますので、健康に過ごすようにしましょう。妊娠4ヶ月の知っておきたいさまざまな情報を幅広くご紹介していきます。
妊娠4ヶ月の胎児の成長、お腹の様子
妊娠4ヶ月胎児の様子は
妊娠4ヶ月目になると、胎児は1日1日成長しており大きくなっています。妊娠3ヶ月から4ヶ月は一気に成長し、身長・体重が2~3倍にも増えます。体重には個人差があるので異常に小さい場合以外は気にする必要はありません。赤ちゃんの正確な重さや妊娠週数が気になる方は、産婦人科でチェックしてみましょう。
胎盤が完成しへその緒が太くなる
4ヶ月目になると、胎盤がはぼ完成して、本格的に胎児が母親から栄養を吸収するようになります。胎盤と胎児をつなぐのがさい帯で、赤ちゃんのおへそからロープのように伸びて内部にはさい帯動脈とさい帯静脈が入っています。いわゆるへその緒です。
胎児は動脈で胎盤からの栄養分や酸素を取り込み、老廃物や二酸化炭素は静脈を使って胎盤へと排出されます。このさい帯は血管の周りがゼリー状のもので囲まれているので、切れたり破れたりする事はありません。
卵黄のうから胎盤へ
今までは卵黄のうが胎児へ栄養を与えていましたが、胎盤が完成したためにその役目は終わって退縮していきます。
卵黄のうでも器官形成をさせるほどの栄養がありましたが、これから更に成長・発達していくためには、卵黄のう以上にお母さんからの栄養分が必要になってくるからなのでしょう。
指しゃぶりをするようになる
妊娠3ヶ月の終わり頃から、脳の発達によって反射をコントロールする脳幹が成熟して、原始歩行という反射行動が見られるようになりましたが、4ヶ月になるとその反射行動が増えていきます。この時期にエコーでよく目にする事が出来るのは、指を口に持っていって吸っているように見える「吸てつ反射」と呼ばれる指しゃぶりです。
妊娠週数を経るとこの指しゃぶりも指を本当に吸ってみたり、羊水も一緒に飲み込んでみたりと発展していきます。これは生まれてすぐにお乳を吸えるように練習しているのだと言われています。
性別判断は?もうわかるの?
妊娠週の早い時期から性器官の生成は始まっていましたが、それは体内で行われてきたため、これまでエコーで確認する事は出来ませんでした。ですが器官生成期が終わり完成に向けて発達を続いているこの時期になると、性器も発達して見えるようになってきます。
一番分かりやすいのが性器の角度や位置で判断しやすい男の子です。まだまだエコーでは胎児の角度によっては確認できない事もあり、実際は性器が100%確認できなければ医師が胎児の性別を告げる事はありません。性別を聞きたくなっても、確実に分かるまでもう少し待ちましょう。
前置胎盤と診断されたら
受精卵が着床した場所が子宮口に近い場合、胎盤は子宮下方に出来ます。場所によっては胎児が外に出る子宮口に近かったり、またはふさいでしまうケースもあり、その場合は前置胎盤と呼ばれます。
4ヶ月目にエコーで前置胎盤と分かったとしても、子宮が大きくなるにつれて下方の胎盤は上にあがってくるので、この時点では様子経過の処置が採られるのがほとんど。妊娠後期になっても、完全に子宮口をふさいでしまっている場合は胎盤から出血しやすいので、絶対安静や入院を勧められる事があります。
お母さんの精神状態が胎児にも影響
脳は最重要器官の1つとして妊娠4・5週目には形成されていましたが、まだ動く段階ではありませんでした。4ヶ月目に入ると、脳の一番内側にある大脳辺縁系や間脳の神経経路が出来上がって、食欲や睡眠欲など基本的な本能や喜怒哀楽・情緒などをつかさどる機能が動き始めます。
この頃からお母さんの精神状態が胎児にも影響してきますが、それは胎児が快・不快を感じ取れるようになってきたからなのでしょう。これから出産まではストレスを無くすように努めて、のんびりした気持ちで過ごす事が大事になってきます。
胎動はまだはっきりはわかりません。
妊娠4ヶ月ごろから早い方は胎動を感じる方がいます。はじめは腸がグルグル動いている感じで違和感があるかもしれません。初産よりも経産婦さんの方がわかりやすく、体形により痩せている方が気付きやすいようです。
この時期胎動を感じなくても問題はありません。多くの妊婦さんが感じる時期は5ヶ月以降が多いですので、あまり気にしないようにしましょう。あと少しで感動を味わえますのでもうしばらくの我慢です。
妊娠4ヶ月の母体の症状などについて
つわりの状態は?落ち着く人と継続中の人
妊娠4ヶ月になると、酷かったつわりも落ち着き体調が落ち着くようになります。食事や運動も楽しめるようになってきますが、中には出産直前までつわりが続いてしまうような方もいます。
つわりが継続中の場合は我慢せず、つわりがまだ終わっていないことを周囲に伝えておく必要があるので、無理せず辛い時は安静に過ごすようにしましょう。
頭痛の悩み
ホルモンバランスの変化、ストレス、妊娠の不安、様々な疲れなどにより頭痛に悩やむ妊婦さんもいらっしゃます。また病院から処方された薬でも、飲まずに我慢する妊婦さんが多く悪化させてしまうケースもあります。薬については必ず医師の指示に従ってください。
改善方法はストレスを感じないこと、生活環境の改善、妊娠を楽しむことなどがあり、お風呂につかってぐっすり睡眠をとるなどのリラックス生活を心がけてください。
不快なおりものや汗について
おりものはまだ量が多く、汗の量も多くなりがちだったりします。おりものパッドをつけることも重要ですし、汗脇パッドなども使うのと使わないのとでは大違いです。
不快感が続くのは決していいことではないので、なるべくカンタンに着替えられるものを身につけるようにし、不快感を覚えたらすぐに下着などの衣類を着替えるようにしましょう。
妊娠4ヶ月の性交渉
夫婦にとって、性生活は重要なコミュニケーションの一つです。妊娠期間中に性生活を拒み続けた結果、不倫されてしまって挙げ句の果てにシングルマザーになってしまった話も少なくありません。
性生活を拒み続けることがストレスに繋がる場合もあるので、もし体調がそこまで悪くないのであれば、性生活を再開させることも考えてみましょう。とはいえ、避妊具などを使用しないと感染症などの心配が出てくるので注意が必要です。
腰痛 腰の負担を軽減
赤ちゃんの大きさもかなり大きくなってきます。一般的な児童の頭の大きさほどになっているので、それを支えるためにどうしても腰や背中を使うことになりますし、身体のバランスを保つのが大変になり、背中を反らせるようなポーズに落ち着きがちです。
しかしそのようなポーズは、背骨のみならず腰などにも負担をかけますし、腰痛の原因にもなるので、辛い時はすぐにソファなどに座って休むようにしましょう。
体型の変化にナーバスになりがちに
お腹が大きくなってくると、どうしてもスタイルが崩れます。元々スレンダーだった方でもかなり太ったように見えるようになりますし、ウエストラインもかなり変貌してしまいますが、これは妊婦の誰もが経験していることです。
妊娠線などもちょっとの工夫と努力で付かないようになりますし、ほとんどの場合出産後にすぐに元通りになります。ナーバスになる必要はありませんし、産めば一気に元通りになるので、気にしないようにしましょう。
母体にトラブルが起きる可能性も考慮
4ヶ月目は、体調が一気に落ち着くため気が抜けてしまいがちですが、トラブルが起こらないとは限りません。この時期に切迫流産を起こす人もいますし、卵巣脳腫がねじれてしまう人もいます。
「もう大丈夫」と油断して過ごしていると、思わぬ時にトラブルが起きてしまうこともあるので、「4ヶ月目だからこそ気を引き締める」心構えで毎日を過ごすようにしましょう。
妊娠4ヶ月頻尿について
4ヶ月目に入るまでは、子宮に圧迫された膀胱が頻尿を起こして大変なですが、4ヶ月目に入ると子宮の位置が上へと上がるので、頻尿から解放されます。
その代わりに、股や股周辺の下腹部に筋肉痛のような痛みを感じることが出てきますが、これは、着々と育ってきた胎児に身体を適応させるために起きる痛みなので、不安に思う必要はありません。
貧血による転倒に注意
この時期になると子宮がどんどん大きくなり、胎児の成長も著しくなってきます。そうなってくると、赤ちゃんに栄養がどんどん運ばれていくようになり、血を持っていかれてしまい、貧血になりがちですが、貧血になるとやはり転倒の可能性が出てきてしまいます。
妊娠していない女性であれば転倒してもそこまで問題はないですが、妊娠している女性の場合は転倒が命取りになるので、貧血にならないよう、鉄分などをしっかり摂取しつつ過ごすようにしましょう。
歩きやすい靴に変えると諸症状の緩和に
貧血による転倒を防ぐためには、転倒しづらい靴を履くことも重要です。高いヒールは履くべきではありませんし、できればスニーカーやヒールの低い靴など、安定感のある靴を履くべきなので、お洒落よりも安全を重視するようにしましょう。
もちろん、滑りやすい靴なども非常にキケンですので、すべりやすい靴は裏側にラバーを貼るなどして工夫しましょう。
心身の不調は妊娠4ヶ月目まで
妊娠1~3ヶ月の間は心も荒み、体調も悪く、食事を楽しむこともできないのでとにかくストレスが溜まりがちです。体温も高くなりがちなのでだるくて毎日が大変かもしれませんが、この時期になると体温が下がり、出産までその安定した体温が続くようになります。
心身の不調は大体の場合、つわりが終わると終りますので「それまでの我慢」と心の中で唱えつつ辛抱するようにしましょう。
妊娠4ヶ月体重について
つわりが終わった方は食欲も涌いてきます。しかし、いくら妊婦と言えども食べすぎてしまうと妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群に発展してしまうので注意しなければなりません。
できれば体重の変化は記録するべきですし、体重の細かな変化に気づくようになると、食べ過ぎを防ぎやすくなります。白米やパンも立派な糖質の塊であり、食べ過ぎればそれ相応に身体に悪影響が及ぶので、何でも食べ過ぎには気をつけるようにしましょう。
歯科健診に行くならこの時期に
妊娠中は吐き気を催すことが多く、虫歯ができやすいですが、虫歯の痛みに堪えながら出産をするとなると必要以上に体力を消耗してしまいます。
歯科健診に行くなら今がチャンスなので、治せる虫歯はこの時期にすべて治すようにし、親知らずなどもできれば抜いてしまうようにしましょう。歯医者さんだと何度も何度も通うようになりがちで、治療が出産間近まで続いてしまいがちですが、総合病院の歯科などだと治療が早く終わるのでおすすめです。
妊娠4ヶ月の出血や腹痛 流産について
妊娠4ヶ月は後期流産となり、初期流産では染色体や遺伝子異常、胎児の成過程の問題による流産でしたが、後期流産はお母さん体調や子宮の病気、子宮筋腫、子宮頸管無力症、絨毛膜羊膜炎などの原因で流産してしまいます。
不正出血がある、腹痛がある、お腹の張りが継続する、おりものがいつもと違う、などの兆候がある場合は流産の可能性があります。そのような兆候を察知したときは、すくに病院へ行き医師の診断をあおいでください。
切迫流産と診断された場合は、ます医師の指示に従ってください。安静にして経過を見ますが妊娠継続が可能ですので赤ちゃんと頑張りましょう。
予防方法としては、食事、生活リズム、ストレスなど生活習慣をきちんとして、定期的な健診をしっかり受けてください。仕事が忙しく健診をさぼる方もおられますが、赤ちゃんの様子を知るためにも必ず受けるようにしてください。
詳しくは:妊娠初期出血:お腹の張り痛み:初期流産:切迫流産:稽留流産:切迫早産:早産
下腹部痛がある場合は?
初期流産の確率が下がる時期ですが、それでも下腹部痛があるともしかしてと不安になってしまうでしょう。しかし赤ちゃんが大きく成長する妊娠4ヶ月は、実に様々な原因で下腹部痛が起こる事を覚えておきましょう。
病院にすぐ行くべき下腹部痛とそうでない下腹部痛の違いは、安静にした時の痛みの変化です。酷い下腹部痛でも横になってしばらくすると 治まるような場合は、体を冷やさず無理をしないようにしましょう。ストレスや疲労・冷え、それから子宮が伸びた時にこのような下腹部痛が起きやすくなります。
反対に安静にしても痛みが酷くなる・出血があるような場合は、すぐ病院を受診しましょう。体が楽になる分無理をしてしまいがちですが、そんな時は休憩時間の回数を増やすようにしてみてください。
前期破水による切迫流産の可能性
妊娠37週前で、陣痛が無いにもかかわらず破水した状態を前期破水と呼びます。妊娠15週前に起こる事はまれですが、無いわけではないので、知識として得ておきましょう。
前期破水の大きな原因は感染症で、子宮内に進入した菌が卵膜に炎症を起こし破水してしまうと言われています。卵膜が破れれば、無菌状態だった赤ちゃんも感染の危険性が高くなりますし、羊水量が減少すれば子宮が収縮し胎盤が剥がれてしまう胎盤剥離を引き起こす可能性も出てきます。
このように破水してしまった場合、一刻も入院し早く治療を行う必要が出てきますから、尿漏れとは少し違う感じの水分が急に出て来た時は早く病院を受診してください。
ここまでのまとめ
妊娠4ヶ月目になると、妊娠している身体に慣れてきますし、お母さんとしての自信が湧いてきます。この時期になれば運動や散歩なども前向きに楽しめるようになってきます。やはり4ヶ月目に突入するまでは気苦労が耐えませんし、4ヶ月目に入ったからといって何も問題が起きないとも限りません。
やるべきことは4ヶ月目にもたくさんあるので、無理しないように気をつけつつも、母体の安全を第一に考えて行動するようにしましょう。