妊娠力や妊活なんていう言葉を最近良く聞きますが、ベストな体調とタイミングで赤ちゃんを生みたいという夫婦の考えが良く表れた言葉です。
現代は不妊症の割合が上がり、また不妊症でなくても排卵日に性交して妊娠する確率は低いため、妊娠したい時に出来るよう体調を整えようという意気込みが伝わってきます。
しかしその体調を整えるには、日々の食生活や生活習慣が非常に大きく影響してきて、不妊治療においてもまずは生活習慣を規則正しくするよう指導されるほどです。
夫婦の生活を振り返ってみて、何か思い当たる節はありませんか?妊娠しやすい体、妊娠力アップ法をいくつか挙げましたので、照らし合わせてみると問題点が見つかるかもしれません。
本気で妊娠したいなら初めから病院で相談
まだ妊娠してもいないのにその準備のために病院に行ってもいいのかな?と思われるかもしれません。
しかし、夫婦の体調が今どんな風なのかを検査して目に見える数字で出れば、とても判りやすくご主人も納得しやすいですね。その状態を見た上で最適なアドバイスがもらえれば、効率的に妊娠力がアップできます。
また検査をした結果、夫婦どちらかあるいは両方の生殖器官の異常や、妊娠に必要な精子卵子の量・活動度の減退が見られる可能性もあります。それは自分達では判りませんので、万が一のために検査をするのも視野に入れましょう。
大きな病院である必要はなく、近所の産婦人科なら後日妊娠した時にもこの相談のカルテが残っているので十分に配慮してくれます。また不妊治療に特化した不妊科ではさらに細かい検査が受けられます。
妊娠力アップ 妊娠しやすい体づくりをする
妊娠力アップ基礎体温計測を習慣づける
妊娠力をアップするには、まず自分の生理周期や体調がどのようになっているのかを確認する必要があります。それには基礎体温を計ってグラフに表すのが一番で、病院にいくより時間もお金もかからないとても手軽な確認方法です。
生理初日から次の生理開始日まで、基礎体温のグラフは基本的に排卵日を挟んで低体温と高体温の2つの範囲に分けられます。しかし体温の区別が明確でなかったり全体的に低かったりと、排卵障害やホルモン異常を起こしている方は何らかの異変が見られる事があります。
グラフを見て少し調べれば自分で何を改善すべきなのかが分かるので、的確な対策が取れるのです。病院にもっていけば、検査結果と併せて更に詳しい結果も分かるでしょう。
冷えは妊娠力を妨害する最大の敵
体の冷えは妊娠を妨げる最大の原因と言って良いでしょう。現在はクーラーのある生活が当たり前ですから、オフィス内では夏場なのにカーディガン・靴下着用は常識になるくらいがんがん冷やしていますよね。
もちろんオフィス以外にも店舗・家の中とクーラーが効いている所ばかりで、それに加えて夏だしとつめたい飲み物を飲めば冷え性の完成です。
また、流行を追いかけて肌の露出が多い服装、特に足を出すボトムズやへそ出しなどは妊娠力をアップさせたいなら絶対避けるべき服装です。冷えを直すには体を暖めればよいわけですが、体内から熱を発生させる方法と体外から熱を取り入れる方法・そして余分な水分を取り除く方法の3種類あります。
体内から熱を発生させるには筋肉を動かす運動が一番です。それから外から熱を取り入れるならショウガ・シナモン・唐辛子など体を温める食材を摂取する以外に、夏でも常温か暖かい飲み物を飲んで身体の熱を下げないようにするのも大事です。
それから冷え性の人は体内に過剰な水分が溜まっているために、なかなか身体が温まりにくいという特徴があります。リンパマッサージや足湯、むくみを取るサプリメントなどを活用して余分な水分は排出しましょう。
運動は必要!でも激しい運動は控えて
妊娠力をアップさせるには、運動も必要です。運動すれば筋肉が増えるので、熱を今以上に発生させて基礎代謝量を上げることができます。基礎代謝量を上げれば身体は平均体温を保ち子宮の調子を整え、ただ座っているだけでも栄養分がエネルギーへと変わるのでダイエットにも効果がある、いい事尽くめの妊娠力アップ法です。
筋肉を鍛えるのは筋トレのような無酸素運動をイメージしますが、指導がなければきちんとした効果が出にくく、また無理に行えば怪我をする可能性もあります。
ウォーキングやスロージョグ・水泳などの全身を使う有酸素運動がすぐ気軽にできてお勧めですが、反対に男性女性ともに息切れが酷かったり汗を多量にかくような激しい運動は避けるべきです。
女性は体脂肪が減りすぎても妊娠しづらくなりますし、男性の場合は精子の量が減り奇形の精子を作り出す可能性があるからです。
日々の生活改善で妊娠力アップ
睡眠のゴールデンタイムをご存知ですか?午後10時から午前2時の睡眠中に成長ホルモンが分泌されるので、この時間内なるべく早く就寝すると体内細胞が成長・修復されるだけでなく、美容やダイエットにも良いと言われています。
妊娠力をアップさせるためにはこの成長ホルモンが欠かせないんです。卵子や精子も細胞ですから、この時間帯にぐっすり寝れば精子や卵子の質もアップして若々しさを保ちます。
3食きちんとした食事・適度な運動・ゴールデンタイム内の就寝、これらを見てみると規則正しい生活という言葉が浮かんできますね。
現在の生活習慣では難しくそれが不妊につながる一因といわれていますので、反対に考えれば規則正しい生活をすれば不妊を避けられる可能性があるという事です。
夫婦共働きなら、この生活を続けるのはなかなか難しいかもしれませんが、まずは週末からはじめてみませんか。
ストレスをなるべく溜めない
現代はストレス社会なんて言われていますが、たしかに会社や家・店などどこでもイライラする人が多いように見うけられます。
ストレスを溜めすぎると精神的・肉体的にも悪影響を及ぼしますが、特に生殖機能は脳の下垂体ホルモンと深く関係しているため最も影響を受けやすい器官です。
肉体的な妊娠力アップにはさまざまな対策があっても、精神的な妊娠力アップはストレスを溜めない事に尽きます。不妊でストレスが溜まっていて、気にしなくなったらすんなり妊娠できたなんていう話を良く聞きますが、妊娠とストレスがいかに関係しているのかがよく分かる例です。
二人で外出して気分転換するのもよいですが、家でお互いをマッサージしたりのんびりしたり、リラックスした時間を過ごすのもストレス対策にはもってこいです。
妊娠力をアップする食生活
自分の体調はすべて口に入るもので決まる、といっても過言ではありません。妊娠中に気をつけるのはもちろんですが、どうせなら今から食生活を見直して妊娠力をアップさせましょう。
食事に気をつけたからといって2・3日で体調が変わるわけではないですよね。特に冷えや肥満を改善するのならさらに時間がかかりますので、妊娠前からはじめても早すぎる事はありません。
まず、食事制限のダイエットをしている方はすぐ止めましょう。食事制限のみのダイエットは体の冷えや基礎代謝量の低下につながるので、炭水化物を少し控えるくらいで後は運動でエネルギーを消費すれば冷えも改善し体温を下げずに痩せられます。
それからファーストフードや化学合成物質などを摂りすぎると、ヒトの生殖システムに影響を及ぼすので気をつけましょう。
サプリメントを活用する
3食きちんと栄養バランスの取れた食事は妊娠力アップのためには最高なのですが、誰もができるわけではありません。
外食続きだったり休日しか自炊できないのはしょうがないので、悩んでストレスになるよりはサプリメントを活用して、少しでも外食では摂れないビタミン・ミネラルを補給しましょう。
女性は子宮の状態を整えるエストロゲンを含んでいるイソフラボンや卵子を若く保つビタミンE・たんぱく質を代謝するビタミンB6など、男性なら精子の量を増やす亜鉛・疲労回復のビタミンB群・血行を促進するナイアシンやアルギニンなどが効果的です。
妊娠しやすい体のためにやめたいこと
禁煙で卵子や精子の質を上げる
妊娠力をアップさせようと思うのなら、禁煙する良い機会と捉えましょう。妊娠中に妊婦が喫煙すると流産や早産の危険があり、生まれた赤ちゃんも低体重や脳障害を負う可能性が通常よりも高くなるのは皆さんご存知だと思います。
妊娠がわかってから止めればよいと考えても、妊娠がわかる段階ではもう2・3ヶ月目に入っていますので、分かってからでは遅いのです。
常時喫煙していると細胞の老化が早まり、卵子や精子の質が悪くなるので妊娠しづらくなります。また自分が吸っていなくても夫や恋人が喫煙者ならば、隣にいるあなたも副流煙を吸い込み同様のリスクを負うことになるので、子供がほしいと思っている夫婦はぜひ一緒に禁煙を始めるべきです。
禁酒で精子・卵子の質を上げる
口にするもので身体に有害な物質は、ニコチン・カフェイン・アルコールの3つです。お酒好きな女性も多く、妊娠する前なら飲んでも大丈夫と思う方も多いでしょう。しかし妊娠力をアップさせたいのなら、今の時点で禁酒すべきです。
研究によれば一週間に中瓶ビール4本以上またはワイン1本以上を飲む女性は、出産にいたる確率が下がるという結果が出ています。アルコールを摂取すべきではないと、はっきり分かります。
また男性もアルコールを大量に摂取する事で、精子量が減ったり機能が鈍くなり受精できない可能性が高くなります。これからの健康も考えて、夫婦で禁酒を始めるのも良いかもしれません。
積極的な性生活が妊娠力アップに
夫婦仲が良い事も、妊娠力アップのためにはとても大事です。妊娠したいあまりに、性交は排卵日前後のみで他の日は絶対しない、なんていう女性もいらっしゃいますが、それではあまりにご主人が可哀想です。
そんな事をずっと繰り返せばご主人のプレッシャーとなって、性行為そのものすら出来なくなってしまうかもしれません。普段から仲がよく、性行為も自然と多くなるカップルは妊娠しやすいと言われていますが、妊娠には身体の周期だけではない精神的なものも大事という事なのでしょう。
赤ちゃんが欲しいという気持ちを一番にするよりも、まずはお互いの仲を更に良いものにするよう気を配ってみてはいかがですか。
妊娠力アップは二人で
受精は精子と卵子側、どちらの染色体も健康なものでないと流産や先天性障害の原因となってしまいます。しかし妊娠するための様々な努力は女性ばかりで、妻が妊娠するために自分は何をすべきか、というのを分かっていないパートナーがほとんどです。
最近は気を配ってくれる男性も増えましたが、それでもまだまだ毎日飲み会に参加したり隠れてタバコを吸っている男性も多いです。
多くの男性はただ知らないだけなので、妊娠力をアップするためにはまずカップルで何に気をつけるべきかを話し合い理解してもらう必要があります。二人の赤ちゃんの為ですから、なるべく二人で頑張りましょう。
本格的に不妊治療を始める
35歳以上の女性が妊娠を望む場合は、日常生活の改善ももちろん大事ですが、それ以上に効率的に妊娠までつなげる為不妊治療を勧められる事があります。
不妊治療は1年以上避妊なしの性交をしても妊娠しないカップルだけでなく、年齢を考慮して早く妊娠したいカップルにも良い結果をもたらします。不妊治療は高いイメージがありますが、タイミング法や排卵促進剤など最初に行う一般不妊治療は比較的安価なので、妊娠力アップのサポートとして活用するのもアリかもしれません。
最初に説明会を行うクリニックも多いですから、まずはカップルで話を聞いて、よく話し合ってから決めても遅くはありません。
妊娠力は気持ちが大切 ポジティブに
基礎体温を計って排卵日を予測して性交してと、妊娠率を高めるあれこれを完璧に行ったとしてもすぐ妊娠できるわけではありません。
準備万端にしていても生理が来てしまって、ガッカリしたりイライラしてパートナーに当たってしまうなんてパターンも多いです。期待をかけすぎて不安になったりイライラしたり、こんなネガティブな気持ちではどんどん妊娠が遠ざかってしまいます。あまり思いつめずに、身体を動かして発散するのがお勧めです。
身体を動かすと気持ちがすっきりしますし、セロトニンも分泌されて前向きな気分になってまた頑張ろうという気持ちも沸いてくるのです。ぜひ毎日の習慣にして、ポジティブな気持ちで妊娠に臨みたいでね。
まとめ
妊娠力をアップさせるのは女性だけでなく男性にだって必要なことなのです。二人の赤ちゃんが元気で生まれてくるには、夫婦で努力するのが大事です。ぜひ改善できるところは努力してみましょう。