なかなか生理が来ないと思って、妊娠検査薬を試してみたら反応が出た!産婦人科へ行ったら、めでたくおめでたが確定!初めての妊娠だと、特に嬉しさで舞い上がってしまいます。
しかし、辛いと噂のつわりが全く感じない。吐き気もないし、いつもと何の違いも感じられないという場合もあります。つわりは無い方が快適ですが、無かったら無かったで不安になるもの。なぜつわりには個人差があるのか、その不思議についての情報を幅広くご紹介していきましょう。
つわりがなぜ起こるのか?なぜ無いのか?
そもそも、つわりはどうして引き起こされるのでしょうか。実は、つわりの明確な原因というのはまだ特定されていないのが現状です。さまざまな説がありますが、必ずそうとは言い切れないのです。
ホルモンの影響により引き起こされると言われている説もありますし、妊娠した赤ちゃんの性別によりつわりが変わってくるという説。遺伝子の影響や、防衛反応など、ありとあらゆる説があるのです。どんな内容なのか、簡単にご紹介していきましょう。
ホルモンの影響説
つわりが起きる原因として、最も有力とされているのがホルモンの影響です。妊娠すると、女性の身体ではさまざまな変化が起きていきます。まず優先されるのは、胎盤作りです。
胎盤は赤ちゃんを育てるために必要不可欠なものですから、急ピッチで作られていきます。その作る過程で大量に分泌されるのが女性ホルモンです。女性ホルモンの中でも黄体ホルモンが、つわりに関係していると言われており、吐き気やのぼせなどを引き起こされると言われています。
しかし、つわりがない妊婦の方に、女性ホルモンが分泌されていないというわけではありません。きちんと同じように分泌されていても、反応が起こらないケースもあるため、全ての人にあてはまる説とは言えないのです。
赤ちゃんの性別での強弱
つわりがあるかないかは、授かった赤ちゃんの性別によって違ってくる、という説もあります。一般的に男の子だとつわりがひどく出やすく、女の子だとつわりが軽いと言われているのです。
これは、染色体の影響が関係しているのかもしれません。赤ちゃんが男の子か女の子かどちらかに決まるのは、Y精子とX精子のどちらかが受精したかに関係しているからです。
Y精子だと男の子、X精子だと女の子になります。妊娠するのは女性の身体ですから、赤ちゃんが女の子だと体が受け入れやすく、男の子だと受け入れにくいと考えられているようです。
しかし、元気な男の子を出産した妊婦さんでも、つわりがないと言う方もいらっしゃいます。この説も一概にはあてはまらないのです。
遺伝子の影響
つわりが起きる原因として、次にご紹介したのが遺伝子説です。遺伝子説は、他人の遺伝子が体内に入ることにより、拒否反応が生じることを言います。全く異なるものが体内に入り、居座り続けるのですから身体はそれを排出しようとしてしまうのです。
そのことから、つわりをひどくさせて栄養失調にさせようとしていると考えられています。また、妊娠したとたん特定の食べ物を欲するのも、自分とは異なる遺伝子の影響と言われています。
フランス人との赤ちゃんを授かった途端、今まで嫌いだったチーズやパンを欲するようになったという妊婦もいるほどです。ただこれも、全ての妊婦には当てはまりませんから、ひとつの考え方として成り立っています。
過剰な防衛反応
つわりが起きる原因として、防衛反応が過剰に出ているという説もあります。赤ちゃんを守るために、ニオイに過剰に敏感になったり、毒物を体内に入れないように吐き気を強くしたりしているのです。
もともと女性の身体には母性としての機能が大きく備わっています。これが過剰になることで、つわりが引き起こされると考えられているのです。しかし、つわりがない妊婦も、赤ちゃんを守りたいという本能は同じです。これも、全ての妊婦には当てはまらないでしょう。
つわりは本当にないのか?
妊娠しても、つわりが起きないと不安になるものです。つわりが引き起こされる原因には、さまざまな説がありますが、そもそもつわりは本当に発生していないのでしょうか。なぜなら、吐き気があるというだけが、つわりではないからです。つわりの種類はたくさんあり、近年その症状も見直されてきています。
少し前までは、つわりではないと考えらえていた症状も、今ではつわりとして捉えられているのです。そこで、つわりの種類について触れていきましょう。
つわりの種類はたくさんある
つわりと言えば、思い浮かぶのは吐き気です。しかし、その他にもたくさんの種類があります。食べることに関しては、なんでも吐いてしまう吐きつわりが有名です。しかし逆に、食欲が増してどんどん食べてしまう食べつわりというのもあります。
食べつわりは、口の中に食べ物がなくなると気持ち悪くなるつわりです。また、よだれの量が過剰に増えるよだれつわりもあります。ニオイに敏感になるニオイつわりでは、ガソリンなどのニオイがダメになるほか、男性のニオイもダメになることが多いようです。
湿度が不快になる湿度つわりでは、御飯が炊けるときのニオイや、お風呂場の環境、満員電車がダメになります。さらに、立ちくらみのようにふらふらしてしまうめまいつわり。いくら寝ても眠気が襲ってくる眠りつわりなどがあります。
もしかしたら違うつわりかもしれない
つわりには、さまざまな種類があることをお分かりいただけたでしょうか。つわりがないと思っていた方も、もしかしたら吐き気ではないつわり症状が出ているのかもしれません。
しかし、それでも思っているより症状が軽く、大丈夫かな?と心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。つわりには個人差があり、体質やメンタル面によってもつわりの出方が異なると言われています。つまり、つわりはもともと個人差があるものなのです。
少しの胃のむかつきを、かなり気持ち悪いように感じる人もいれば、二日酔い位だから大丈夫と捉える人もいるのです。このことからも、つわりがないということは、ラッキーなことであると捉えるようにしましょう。
つわりがない、気付かないデメリットは?
つわりは誰しも軽い方がいいです。しかしデメリットがいくつかあり、一番問題になる可能性が高いのが妊娠に気が付かない事です。生理予定日に生理が来なくて遅れているだけかと思っても、ある日突然吐き気や特定の匂いが嫌になれば、誰でも妊娠を疑うものです。
しかし、ちょっとムカつきがある程度では何か変なものを食べたかな、位にしか思いません。このように妊娠に気づかないままだと、アルコールやタバコ・薬など妊娠中は避けたい物を摂取してしまう可能性が高く、妊娠発覚後の発育遅滞や流産・早産の原因となりかねないのです。
「吐きつわりが軽い方の流産確率が重い方に比べると高い※1」と言うのも、それが理由の一つにあるからなのかもしれません。
つわりがないことへの注意点と噂、迷信
つわりがない妊婦は、苦しい思いをしないで済むからうらやましいと思われがちですよね。しかし、つわりがない代わりに注意すべきこともあるのです。それは、妊娠している自覚が薄れてしまうということ。
妊婦であることを忘れて、生魚を大量にたべてしまったり、ついお酒を口にしてもらったり、タバコが吸われている空間にいても違和感がなくなってしまうのです。お腹にいる赤ちゃんにとっては、生命に関わることもありますので、妊婦の自覚を忘れないようにしましょう。
つわりが軽いと障害出る 本当?
「つわりが軽いと障害が出る」というような話を、聞いた事があるかもしれません。妊娠中または妊娠を経験した方が当たり前のように感じているつわりを全く感じないので、どこかおかしいのではないかと不安になって、その話を鵜呑みにしてしまう方もいるでしょう。
しかし、つわりの強弱と障害の関連性は研究でも見つからない為、迷信に過ぎません。
ただ、「吐きつわりが軽い方の流産率は重い方に比べて3倍も高く、発達速度やIQも低めであるという研究結果※1」があるので、その結果を持ってこのように言われているのかもしれません。※1参考:つわり、健康な赤ちゃんが生まれる兆候か=調査結果 – WSJ
つわりが軽くても元気な赤ちゃんを産んでいる方がほとんどですから、気にしないようにしましょう。
つわりが軽いと流産になる、って本当?
これも同様に昔からよく言われているのですが、信憑性はまったくありません。しかし妊娠22週までに、何らかの理由によって子宮内で胎児が死亡し、今まで確認できていた心音が確認できなくなる稽留流産はつわりと一種の関係があります。
病院へ行ってエコー検査をしないと心音確認が出来ないのですが、稽留流産の場合は他の流産と違ってつわりが急にストップする事で何かがおかしいと自覚するケースがあります。
このような場合とつわりの軽さを混同してしまったのが、この謂れの理由なのかもしれません。胎盤が完成する妊娠15週前後よりもずっと前に、今まで辛かったつわりが急になくなった、という場合はすぐ受診しましょう。
突然の切迫流産起きやすい 本当?
つわりがない妊婦は、気づかないうちに無理をしてしまいがちです。つわり症状が起きていれば、嫌でも身体を安静にしていなくてはなりませんが、ある意味それは理にかなっていることなのです。
特に妊娠初期は不安定なので無理は禁物です。しかし、つわりがない妊婦は体調の変化がないため、つい無理をして、急に腹痛を感じることがあります。急いで婦人科に行ったら切迫流産と診断され、絶対安静になった。と言うケースもあるので、仕事や遊びはほどほどに抑えておきましょう。
二人目はつわりが軽くなりやすい本当?
一般的によく言われているのが、二人目の妊娠ではつわりが軽いという事ですが、それは忙しさと慣れが大きな理由だと言えます。二人目を妊娠しているお母さんは上の子の世話やその他諸々の用事で忙しく、一人目の時のように辛かったら横になるという事が出来ません。
つわりを軽減するにはその辛さばかりを気にせずに、色々な事をして外に目を向けるのが一番ですが、二人目妊娠の方は自然とそれが出来ているのです。それから一人目のつわりの辛さを充分体験して、つわりはどのくらい辛いのかというのをすでに理解しているので、心構えがあった分つわりも軽いように見えたという事なのでしょう。もちろん逆のパターンもあるので、全員が必ずしもそうではありません。
つわりの強弱に精神面が影響 本当?
つわりは辛いものという認識があっても、実際には妊娠前と全く変わらない方、症状が重すぎて入院してしまった方と非常に幅広いです。妊娠悪阻になってしまうほど重症の方は別として、気持ち悪い・苦しいと毎日家の中でそればかり考えていては、余計症状が悪化しやすくなります。
やる事があるからと自分の体調がよい時を見定めて上手く用事をこなしていけるような方は、つわりのせいで何も出来ないと言ってしまう方よりもつわりが軽いと感じる傾向にあるようです。
もちろん個人差があり、無理やり動いて後で更に体調を崩してしまえば元も子もないのですが、上手く気分転換できるような方はつわりが軽いと言えるのではないでしょうか。
さまざまな迷信を真に受けないように
「つわりが軽いと難産になる」「つわりが強いと男の子が生まれる」など、つわりにまつわる迷信はいくつもあります。妊娠中の方なら必ず一度は言われたことがあるのではないでしょうか。
ちょっと信じてしまうような迷信ですが、実は医学的根拠はまったくありません。つわりの時期は精神的にも不安定になりやすいですから、これらの迷信を真に受けてしまうと後々の妊娠生活に良い影響を与えません。もしこれらの事を言われたとしても迷わずに、確実な医師のアドバイスを重視するようにしましょう。
周りの心配は気にしない
妊婦だけでなく妊娠に全く関係のない男性や子供まで、つわりは気持ちが悪くなり吐き気があるものというイメージが定着しています。そこで、つわりがないという話をすると、びっくりされて中には心配する人まで出てくるようになります。
特に、年配の女性は自分の経験や当時の出産状況を思い出して、何か異常があるのではないか・赤ちゃんが育っていないのではないかと、お母さんが責められてしまいます。また、同じように妊娠中の友人は感情に波が激しい事もあって、つわりが軽い羨ましさからついやっかみを言う人までも中にはいます。
あまりにつわりが軽い事へのマイナス面を聞かされると不安になりますが、医師が問題ないと言っているのですから気に病む必要は全く無く、無視して構いません。
まとめ
つわりがない妊婦さんに向けて、さまざまな情報をご紹介しました。つわりがないのはラッキーなことです。健康維持に努めて、注意点を守り、楽しく元気に妊婦生活を楽しんでください。