妊娠が発覚したら、まずやるべきことは身体を大切にすることです。今までとはひとつひとつ身体の反応が違ってきますし、体調や体重もどんどん変化していくからです。
特に妊娠初期の頃は不安定なので、身体に振動や刺激を与えないことが大切です。ヒールの高い靴は避けるようにして、安全な靴を選んで履くようにしましょう。
また、妊娠の時期により最適な靴には違いがあります。それぞれの時期に合わせた靴選びについて詳しくご紹介していきましょう。
妊娠初期の靴
妊娠初期の頃は、体調の変化が最も激しい時期です。つわりになりやすく、貧血を起こしたりめまいを起こしたりしてフラフラしてしまうこともあるでしょう。
そんな時期にヒールの高い靴を履いてしまうと、転倒の危険性が伴います。転倒して尻もちをついてしまったり、階段を踏み外したりしてしまうと、身体を傷めるだけでなく胎児にもショックが伝わってしまいます。
ヒールを愛用していたという方は、3cmまでの高さに限定し、ヒールの細さも太めのものを選ぶようにしましょう。
フラットな靴
パンプス愛用者なら、ヒールの高い靴に履き慣れているでしょう。しかし安全面を考えるとヒールは3cmまでの高さに限定すべきです。またできるならヒールのないフラットな靴の方がより安全性が高まります。
ただ、今までヒールの高い靴に慣れている方だと、フラットな靴に戸惑うこともあるでしょう。場合によってはうまく歩けず、つまずいてしまう事もあるかもしれません。
そんな時は、かかとに少し厚みのあるインソールを入れてみると歩きやすくなります。緩やかな傾斜がついていながら、靴の底面はフラットなので、安定性を保ちながら、ヒールを履いているように歩くことができます。
また、少しだけ脚長効果も期待できますので、ファッションを楽しみたいという方にもオススメです。
よく歩く方はスニーカー
比較的よく歩くタイプの妊婦さんは、フラットな靴よりスニーカーがオススメです。靴の中でも安定性は抜群ですし、転倒の危険性も低くなります。また何より歩きやすいので、ストレス無く散歩を楽しむことができるでしょう。
最近は、スニーカーの種類も豊富で、デザイン性の高いおしゃれなスニーカーもたくさん出回っています。
今までスニーカーを履いたことがないという妊婦さんも、新たなファッション領域に足を踏み入れるつもりでチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
妊娠中期の靴
妊娠中期は、妊婦さんにとって黄金期と言われています。妊娠初期の体調不良やつわりが治まり、身体も気持ちも安定してくるので活動的になるからです。
近距離なら旅行することもできますので、足元のオシャレを存分に楽しむことができるでしょう。歩きやすい靴としてはスニーカーがおススメですが、安定性に優れたブーツやサンダルでもOKです。
ただサンダルの場合、足元が冷えやすくなってしまいますので、冷え対策が必要です。靴下を必ず持参するようにし、冷えを感じたら靴下とサンダルを組み合わせて履くようにしてください。
妊婦にとって冷えは良くない要素なので、素足で靴を履くときには注意しましょう。また、ゴム製のサンダルだと地面に引っかかりやすい場合もあります。靴を履いてみて歩きにくいと感じたら別の素材のサンダルに切り替えたほうが良いでしょう。
妊娠中期~後期
妊娠中期も後半にかけてくると、徐々にお腹が大きくなってきます。妊娠後期になると足元が見えなくなるくらいお腹が大きくなってくるので、靴選びは履きやすいものを選ぶのがポイントです。
スニーカーは妊娠初期~中期にかけては安定性に優れる靴として最もお勧めですが、妊娠中期の後半~妊娠後期にかけては徐々に履きにくくなるため、紐タイプのスニーカーは避けたほうが良いでしょう。
履きやすいタイプがおすすめ
妊娠中期~後期にかけてはお腹が大きくなるので、紐がついていたり、足首で留めたりするタイプの靴は不向きです。気軽にさっと履けるタイプの靴が重宝するでしょう。
スニーカーでもスリッポンタイプの物なら紐もありませんし、かかと部分を指で引っ掛けるだけで履くことができます。また、スリッポンタイプのスニーカーなら、綿やゴムで出来ているので、革靴のように締め付けることもないでしょう。
妊娠中期~後期にかけては、足のむくみが出やすくなるため、日によって微妙に靴の変化が変わってきます。妊娠初期の頃と比べるとワンサイズ大きくなってしまったという方もいるので、少しゆとりのあるサイズを選び、靴下などで調整すると良いでしょう。
妊娠時の靴、ヒールの選び方
つま先の形もチェック
妊娠初期から出産まで気になるのが足のむくみですが、妊娠中に履く靴はむくみで大きくなる分を予想して選ぶと長く履く事が出来ます。
ただ、大きめの靴だけを考えて選ぶと靴の中で足が泳いでしまったり、つま先や足裏に摩擦が生じて靴擦れが起きてしまいやすくなります。足の長さよりも幅を考えて靴を選ぶべきですが、ここでポイントとなるのがつま先の形です。
むくむ時は足の指までパンパンになる事も多く、そんな時に幅は問題なくともつま先が尖っているポインテッドトゥの靴ではつま先が靴に入らず、もし歩けたとしてもすぐ痛くなってしまいます。妊娠中の靴はなるべくつま先がラウンド型のものを選びましょう。
履きやすい素材で選ぶ
妊娠中の靴は、ヒールがなく転倒の危険性がないものを選ぶのが基本ですが、だからと言って丈夫な革製では硬い上に靴自体の重量もあるため、歩くのが大変ですね。妊娠中はデザインだけでなく素材や重さにも注目して靴選びを行うのが大事なポイントで、革でもやわらかいスエード素材や、伸縮性のあるストレッチ素材の靴がお勧めです。
スエード素材なら茶・黒といった地味な色合いのイメージしかありませんが、どこにでも履いていけるような華やかな色やデザインの靴が販売されていますので、ぜひお店を覗いてみましょう。
また、ストレッチ素材の靴は妊娠中のむくみが酷い時でも足を締め付ける事なくフィットするので、これ一足買っておけば産後むくみがなくなった後でも長く履きつづけられるのが特長です。
かかとがあるものを選ぶ
お腹が大きくなってくると靴を履くためにかがむのも大変になってくるので、簡単に足が入るミュールタイプの靴を履いている方も多いですね。ただし、このようにかかとがない靴はちょっとした事ですぐ靴が脱げてしまい転倒の危険性があります。
お腹が大きくなると姿勢が不安定になりますが、そんな状態でかかとがない靴を履くのはかなり危ないと考えてよいでしょう。足を入れやすい靴でもかかとのあるスリッポンや、かかと部分にストラップがあって多少の事では脱げないようになっている靴を選びましょう。
安全安心が一番 ナースシューズ
妊娠中でも可愛い靴を履きたいと思う妊婦さんは多いですが、その反対にデザインよりも機能性が一番と考える妊婦さんも少なくありません。そんな妊婦さんが選ぶのは、通気性抜群で疲れないナースシューズです。
長時間立って働くナースの負担を軽減するために開発されたシューズですから、妊娠中でも仕事を続けている方や新陳代謝が活発になって靴が蒸れるのが嫌、なんていう方にはぴったりです。
最近ではスポーツメーカーがナースシューズを開発したり、外に履いて行ってもナースシューズだと気づかれないようなデザインが沢山出ていますので、自分に合う靴がないと悩んでいる方にはお勧めです。
靴選びのタイミング
妊婦さんが靴を購入するなら、時期に合わせてタイミングを合わせましょう。妊娠初期の頃はまだ働いている方も多いでしょうから、低めのヒールやフラットシューズを中心に購入するのが多くなります。
この時期に購入した歩きやすい靴は、出産後にも活躍しますのでデザイン重視で選ぶのも良いでしょう。妊娠中期~後期にかけては、安定性と履きやすさを重視する必要があります。
体重増加で足のサイズが大きくなったり、むくみがひどく日によって足の太さが変わったりするという方は、伸縮性の高い靴を選ぶのが大切です。足のサイズに適していない靴を選んでしまうと、むくみが悪化してしまう可能性もあるので、少しゆとりのあるサイズを選ぶようにしましょう。
脱げないためのポイントで選ぶ靴
妊娠中はお腹が邪魔をして靴紐が結べない、でもフラットシューズではすぐ脱げてしまう、など妊娠中の靴選びは中々ぴったりのものが見つかりにくいです。
靴紐がなくても脱げずに歩きやすい靴にはいくつかポイントがあって、足の甲を覆う面積が大きい靴・柔らかい素材の靴・太いストラップなどで足と靴を密着させる靴です。
足の健康を保つ靴として販売されているコンフォートシューズにはこれらの条件がほぼ当てはまるので、検討してみてはいかがでしょうか。通販でも購入できますが、予算に余裕があるのならば直接店まで行ってカスタマイズしてもらうのもアリです。
インソールを変えてみるとこんなに違う
妊婦用の靴を揃えてみたはいいけれど、イマイチ足に馴染みにくいという方もいらっしゃると思います。そんな方は、足の形に適したインソールを合わせてみましょう。
フラットシューズに違和感があるという方は、踵に厚みがあり傾斜のついているタイプだと履き心地が改善されます。足のアーチがほとんどないという方は、土踏まずが膨らんでいる凹凸のあるインソールを試してみると良いでしょう。
また、自分ではこのサイズでこの形と思っていても実際は違うことも多いので、靴屋さんできちんと測ってもらうことも大切です。足の大きさは左右微妙に違いがあり、利き足の方が少し大きいのが一般的です。
小さい方の足に合わせてしまうと、靴擦れを起こしたり、歩きにくさを感じたりするようになるので、きちんと測って足の形にぴったりの靴とインソールを選んでもらうようにしましょう。
旦那様とペアルック
スニーカーやフラットな靴がイマイチ苦手という方も、旦那様とのペアルックなら楽しく履きこなすことができます。スニーカーなら女性用と男性用と色違いで履くことができるので、密かなペアルックとして楽しむことができます。
妊婦はお腹の中に子供がいることを実感しやすいですが、旦那様の体には変化がないため、なかなか妊娠していることを実感できないケースもあります。スニーカーをペアルックにすることでコミュニケーションをとり、一緒に赤ちゃんを育てている感覚を共有すると良いでしょう。
結婚式の時は何を履く?
妊娠中でも結婚式に出なければならない事があります。結婚式の服装のマナーとして靴はヒールが3cm以上あるもの、とよく言われますが、妊娠中は無理に履く必要はありません。
目立つお腹でヒールのある靴を履いてくれば、自分は気にしなくても周りが万が一の事がないように気を使ってしまい結婚式を楽しむどころではなくなってしまいます。
妊娠中に結婚式に出席する場合はフラットシューズでかまいませんが、結婚式の華やかなイメージに副うようリボンやレース・ストーンなどがついている靴を選びましょう。ただ、冷えるからとタイツを履くとイマイチなので、腰周りや足裏など見えない部分の保温をしっかりするのがポイントです。
靴とファッションをコーディネート
妊婦の靴選びは、ついフラットさや歩きやすさを重視してしまいます。オシャレをしたいという方にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。しかしそれは今までの服と合っていないだけかもしれません。
新たなファッション分野を開拓するためにも、妊婦の時期にしか出来ないファッションとして楽しむのもオススメです。ふんわりとしたワンピースと合わせたり、オーバーオールと組み合わせたりと、妊婦のファッションの楽しみ方はいろいろあります。
基本的にはお腹を締め付けなければOKなので、妊婦の時期にしか出来ないファッションを思いっきり楽しんでみましょう。
まとめ
妊婦さんが履くべき靴についてご紹介しました。最近はフラットな靴のデザインも種類も豊富になっています。選択肢の幅が広がっていますので、楽しく靴選びができるでしょう。安全に赤ちゃんを育むためにも、安心な靴選びを心がけてください。