妊娠超初期~妊娠初期の息苦しいときに知っておきたいこと

妊娠超初期~妊娠初期の息苦しいときに知っておきたいこと 症状 原因 注意点は 対処方法 など 妊娠初期

妊娠初期に息苦しさを感じる妊婦は意外に多いようです。妊娠前は息苦しさなど感じたことなかったのに、妊娠した途端急に息苦しさを感じるのはなぜでしょうか?また妊娠初期は息苦しさに加えて、動悸やめまい、立ちくらみなどのトラブルも起きやすい時期です。

妊娠初期の息苦しさの症状、原因、対処方法、注意点など妊娠超初期~妊娠初期の息苦しさについて知っておきたい情報を幅広くご紹介します。ぜひ参考にしてください。

妊娠初期の体調変化 マイナートラブル

妊娠初期の体調変化 マイナートラブル

妊娠初期は体に大きな変化が生じる時期で、妊婦はさまざまなマイナートラブルに見舞われます。妊娠初期のトラブルというと、つわりによる吐き気、嘔吐、体重減少などを思い浮かべますが、息苦しさも妊娠初期の不快な症状のひとつ。

他にも動悸、めまい、眠気、頭痛、気分の落ち込み、倦怠感、だるさなど、妊娠初期にはつわり以外にもいろいろな不調があらわれます。

妊娠初期の息苦しさの症状について

妊娠初期の息苦しさの症状について

妊娠初期の息苦しさの感じ方はさまざま。ちょっと動いただけで息切れする、夜間睡眠中も呼吸が苦しく、喉がつかえるような感じがする、呼吸しづらい、息がハアハアする、呼吸が速まる感じがする、思い切り息を吸えない、胸が締め付けられる、立ったり座ったりするだけで息切れするなど、息苦しさの感じ方や度合いはひとりひとりの妊婦によって異なります。

息切れが起こるタイミングは?

息切れが起こるタイミングは?

息苦しさを感じるタイミングにしても、家事や作業を行った直後だけでなく、睡眠中、食事後、朝起きたとき、座って休んでいるときなどいろいろ。

体を動かしたあとや階段の上り下りをするなど、息切れの引き金がある場合もあれば、なんの前触れもなく唐突におきる場合もあり、対応に苦慮する方もいるようです。

妊娠後期・臨月に多い息切れ・動悸

妊娠後期・臨月に多い息切れ・動悸

マイナートラブルとしての息苦しさは、本来であれば妊娠中期以降、とくに妊娠後期・臨月に多くみられる症状ですが、妊娠初期から息苦しさを感じた、という妊婦も少なくありません。

妊娠初期の息苦しさは大丈夫なの?

妊娠初期の息苦しさは大丈夫なの?

妊娠初期から息切れがするのは、おなかの赤ちゃんになにか問題があるのでは?もしかして心臓に異常があるの?と不安に感じる方もいるようです。しかし軽い息切れや息苦しさは妊婦だけでなく、健康な方でも経験すること。

息苦しさだけをもとに、妊娠の状態に問題があると判断することはできませんので、息切れの度合いが軽度で他に気になる症状がなければ、不安に感じる必要はありません。

妊娠超初期~妊娠初期の息苦しさの原因とは?

妊娠超初期から妊娠初期にかけて感じる息苦しさの原因について挙げてみましょう。妊娠超初期・妊娠初期は妊娠成立に伴い、ホルモン分泌に急激な変化が起きる時期で、体にさまざまな症状があらわれます。

自律神経のバランスの崩れ

自律神経のバランスの崩れ

妊娠が成立すると、ホルモン分泌に大きな変化が起こります。妊娠の成立および継続に不可欠な女性ホルモンの分泌は増え、さらにhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)などの分泌も起こり、ホルモン分泌をコントロールする脳の視床下部に過大な負担がかかります。

脳の視床下部には、交感神経と副交感のバランスを取るはたらきもあります。ホルモン分泌の指令をたくさん出すことで、視床下部に過剰な負荷がかかると、それにつれて自律神経のバランスを司るはたらきが鈍ります。この結果自律神経のバランスも崩れ、息苦しさ、めまい、動悸といった症状があらわれます。

プロゲステロンの影響

プロゲステロンは妊娠の継続に重要な役割を果たす女性ホルモンですが、このプロゲステロンのはたらきにより、呼吸中枢に刺激が与えられ、このため息苦しさを感じると考えられています。

貧血によるもの

貧血によるもの

妊娠中はおなかの赤ちゃんに対して血液を供給する必要があるため、妊婦の循環血液量は増加します。このとき赤血球の増加の割合は、血漿の増加の割合に比べて少ないため、血液が薄まった状態になります。

妊婦の循環血液量の増加は妊娠6週目頃より始まり、妊娠20週の後半には妊娠前よりも約50%増加します。妊娠中に貧血になりやすいのはこのためで、妊娠初期からめまいや倦怠感、息切れといった貧血の症状に悩まされる妊婦も大勢います。※参照1

ストレスや不安

ストレスや不安

妊娠初期はホルモンバランスに変化が起こるせいで、体だけでなく、精神的にも不調があらわれることがあります。妊娠してうれしいにもかかわらず、ふとした瞬間に気分の落ち込みを感じたり、憂うつな気分におそわれることがあるのはこのせい。

また妊娠したために、日常生活のさまざまな事柄に制約を受けるせいで、ストレスや不安を感じる妊婦さんもいます。妊娠が順調に進んでいるかどうか不安、流産しないかどうか不安、といったように、おなかの赤ちゃんや妊娠の状態に対する不安感から、ストレスを募らせる方も。ストレスや強い不安感も、息苦しさや動悸の原因のひとつです。

つわりによる不調

つわりによる不調

ムカムカや嘔吐に悩まされるつわり。妊娠初期はほとんどの妊婦が、なんらかの形でつわりを経験します。

つわりが始まると嘔吐や気持ちの悪さで体調が悪化し、食事や睡眠が十分に取れないこともあります。つわりで体調が悪化することも、息苦しさの原因のひとつと考えられます。

息苦しさに隠れている病気の場合も

息苦しさに隠れている病気の場合も

妊娠初期の息苦しさは、ほとんどの場合とくに問題のないマイナートラブルですが、稀に妊娠とは直接関係のない病気が潜んでいることがあります。息苦しさの度合いがひどく、他にも気になる症状がある場合は、かかりつけの産婦人科医に早めに相談しましょう。

息切れや動悸には、肺炎、気管支喘息、心不全、肺や心臓にかかわる病気が隠れていることもあります。またストレスや不安により呼吸をしすぎてしまう過換気症候群やパニック発作、アレルギーが原因でおこるアナフィラキーショックによる呼吸困難、タバコの吸いすぎなどが原因でおこる慢性閉塞性肺疾患など、息切れには治療が必要な病気が潜んでいる可能性もあります。

妊娠中の息苦しさに関して気になることがあれば、放置せずに専門医に相談したほうが安心です。また妊娠前から心臓や肺に持病を持つ方は、必ず産婦人科医にその旨を伝え、適切な治療を続けることが大切です。

妊娠初期に息苦しさを感じるときの対処法

妊娠初期に息苦しさを感じたら、どのように対応すべきかについてポイントごとに挙げてみました。どうすれば息苦しさの症状を緩和できるのか、しっかり覚えて実践しましょう。

貧血予防・改善に努めること

貧血予防・改善に努めること

妊娠前から貧血気味の方は、妊娠中に貧血の症状が悪化する可能性があります。息切れ、動悸、めまい、立ちくらみ、眠気、倦怠感、頭痛など、妊娠中の貧血はさまざまなマイナートラブルをおこします。

妊娠中の貧血は軽症の場合はおなかの赤ちゃんに対する影響はないとされていますが、重症になると低出生体重児や胎児死亡など、赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠成立がわかったら、これまでにも増して貧血予防に努める必要があります。※参照2

食事内容を見直す必要性

女性の場合もともと貧血になりやすい状態にあります。ダイエットを慢性的におこなっている、栄養に偏りのある食事を続けている、食事を抜くことが多い、食事時間が不規則など、乱れた食生活を送ってきた方はこれをあらためましょう。貧血予防には鉄分や葉酸をたっぷり摂ることが効果的です。

十分な休息をとること

十分な休息をとること

まだ妊娠初期だからといって無理をしていると、疲れがたまってしまいます。つわりで食事が満足にできないこともある妊娠初期は、体力を落とさないよう注意することが重要です。疲れたと感じたら、その場で休むようにしましょう。つらいときは無理せず、家事はできる範囲で行うようにし、ご主人やパートナーの方、同居の家族の協力を求めましょう。

仕事をしている方は、早めに職場に妊娠の報告することをおすすめします。妊娠中の妊婦が安心して仕事ができるように、勤務時間の短縮や変更、業務内容の軽減といった申し出をすることもできます。どのようなサポート体制が用意されているのか、会社の担当部署に問い合わせておきましょう。

ストレスや不安を解消すること

ストレスや不安を解消すること

ストレスや不安・悩みは息苦しさの原因になるだけでなく、妊婦の精神状態にネガティブな影響を与えます。自分の好きなことをする時間を見つけ、ストレスを上手に発散させましょう。

また妊娠のことや毎日の過ごし方についての疑問や不安がわきあがり、一人で抱えこむ方もいるようですが、一人で考え込んでいても悩みは解決しません。悩みや不安なことは、定期健診の際に医師や助産婦に相談し、解決しておきましょう。

適度に体を動かす

適度に体を動かす

妊娠初期はつわりの症状のために、体を動かすこともつらく感じられますが、これはかえって逆効果。家に閉じこもったまま、じっとしていると、自律神経のバランスは崩れるばかりです。

妊娠初期は流産がおこる可能性があるため、なるべく自宅で安静にしていたい、と思う方もいるようですが、これはあまりおすすめできません。医師からの安静の指示がある場合は別ですが、そうでなければ、戸外での散歩や軽い運動を行いましょう。適度な運動は精神的な圧迫感を解消し、健康増進に役立ちます。

まとめ

妊娠超初期~妊娠初期の息苦しさについて、その原因から対処方法まで知っておきたい情報を幅広くご紹介しました。妊娠中はいろいろなマイナートラブルが発生しますが、息切れや息苦しさもそのひとつ。妊婦の体に起こるホルモン変化や循環血液量の増加といった理由により、妊娠初期から息苦しさに悩まされる方は大勢います。

妊娠超初期~妊娠初期をできるだけ快適に乗り切るためには、息苦しさの原因を知り、適切な対処方法を心得ることが大切です。妊娠初期を上手に乗り切りましょう。
※参照1 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 妊娠・お産と循環器病 妊娠・出産に伴う心臓や血管の変化
※参照2 日本産婦人科学会 妊婦貧血とはどんな病気ですか

妊娠初期
シェアする
ニンアカ