妊婦の動悸で知っておきたいこと 原因は?対処法、予防法は?

妊婦の動悸、息切れについて知っておきたいこと

妊娠すると、思わぬ身体の反応に戸惑ってしまうことが多くなります。妊娠中は、身体が急速に変化していくため、不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。

妊娠中に戸惑ったり不安になりやすかったりする症状として、多くの妊婦を悩ませるのが「動悸」です。胸がドキドキしたり、息苦しさを感じたりすることから、母体だけでなく赤ちゃんへの影響を心配する場合もあるでしょう。

そこで、妊婦の動機はなぜ起こるのか、またどんな予防策や対処方法があるのか、さまざまな情報を幅広くご紹介していきましょう。

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妊娠中に動悸が起こりやすい原因は

妊娠中に動悸が起こりやすい原因は

妊娠中に動悸が起こりやすいのは、さまざまな原因があるからです。どのような原因が動悸を引き起こしているのか、詳しくみていきましょう。

女性ホルモンの影響での動悸

女性ホルモンの影響での動悸

妊娠中に動悸を引き起こす原因として、女性ホルモンの影響が考えられます。女性ホルモンは、妊娠をきっかけに分泌量が増加していきます。女性ホルモンには、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類がありますが、動悸を引き起こすのはプロゲステロン(黄体ホルモン)の方です。

プロゲステロン(黄体ホルモン)には、妊娠を正常な状態で維持するために必要なものですが、呼吸中枢を刺激してしまう作用もあるため、息切れや動悸を引き起こしやすくなります。

妊娠している期間中は、プロゲステロン(黄体ホルモン)が活発に分泌され続けるため、動悸や息切れが頻繁に起きやすくなってしまうでしょう。

鉄分不足の影響での動悸

鉄分不足の影響での動悸

妊娠中に動悸を引き起こす原因として、鉄不足の影響が考えられます。妊娠すると、胎盤を作ったり赤ちゃんに栄養を送ったりするために血液量が増加していきますが、大量に血液が増える分薄まってしまいます。血液が薄まると酸素を運ぶための赤血球が足りなくなるため、鉄が不足し動機を引き起こしやすくなってしまうのです。

血液が薄まって鉄分が不足すると、動悸や息切れだけでなく、めまいや立ちくらみ、頭痛や身体の疲労感も生じやすくなります。血液の増加率は、妊娠前よりも上がるため、妊娠中は継続して鉄分不足に注意が必要です。

妊婦検診では、血液検査をして定期的に鉄分をチェックしていきますが、妊娠中は鉄分を意識してメニューを組んだり、鉄分のサプリメントを服用したりするようにしましょう。

子宮による圧迫の影響での動悸

妊娠中に動悸を引き起こす原因として、子宮が大きくなったことによる圧迫の影響が考えられます。子宮は、妊娠前はニワトリの卵くらいの大きさで、縦は約7cm、横は3cm~4cm、容積は約2ml、重さは約40gほどです。しかし、妊娠周期が進むにつれてどんどん大きく広がるようになります。妊娠後期には、縦は約36cm~40cm、横は約24cm、容積は約4000ml~5000ml、重さは約800g~1000gほどまで大きくなります。そのため、子宮により周辺の臓器が圧迫されやすくなります。

妊娠後期はみぞおちまで子宮が広がるようになるため、横隔膜が圧迫されて動悸や息切れが引き起こされやすくなってしまうのです。

負担が大きい心臓の影響での動悸

負担が大きい心臓の影響での動悸

妊娠中に動悸を引き起こす原因として、心臓負担が大きくなった影響が考えられます。妊娠中は血液の量が増えるため、必然的に心臓がポンプとして動く頻度が増えるようになります。そのため、心臓に負担がかかりやすくなり、動悸が引き起こされやすくなるのです。

また、妊娠中期~妊娠後期にかけては子宮が大きくなるため、血管を圧迫しやすくなります。背骨にある下大静脈は圧迫されやすく、仰向けに寝ることで圧迫されてやすくなってしまうため、血液の流れが滞り心臓が空打ち状態になって負担が増加しやすくなります。

この状態が長く続くと、仰臥位低血圧症候群を引き起こし、動悸だけでなく意識障害を引き起こす可能性があるので、仰向けに寝て動悸が激しくなってきたときは、すぐに姿勢を変える必要があるでしょう。

ストレスの影響での動悸

ストレスの影響での動悸

 

妊娠中に動悸を引き起こす原因として、ストレスの影響が考えられます。妊娠中は、ホルモンや自律神経のバランスが崩れやすく、体調を思うようにコントロールできなくなります。また、お腹が急速に大きくなることで身動きが取りづらくなるため、ストレスを感じやすくなってしまうでしょう。

ストレスを強く感じ続けると、自律神経の働きをさらに狂わせてしまうようになります。自律神経には心臓をはじめ血流をコントロールする働きがあるため、自律神経が乱れることで動悸が引き起こされやすくなってしまうのです。

薬の影響での動悸

薬の影響での動悸

妊娠中に動悸を引き起こす原因として、薬の影響が考えられます。妊娠後期は、お腹の張りを感じやすくなりますが、張りが強いと早産を引き起こす可能性があるため、張り止めの薬を処方されるようになります。

この張り止めの薬には、心臓の動機を引き起こす副作用があるため、人によっては強い動悸を感じてしまうこともあるでしょう。あまりにも動悸が激しい場合や、気分が悪くなる場合は、医師に報告して相談するようにしてください。

動悸が起きたときの対処方法は

妊娠中は、さまざまな原因により動悸が引き起こされやすくなります。では、実際に動悸が起きたときはどのように対処すればよいのでしょうか。

まずは安静にすること

まずは安静にすること

動悸が起きてしまった時は、まず安静にすることを優先するようにしましょう。外出先で動悸を感じたら、立ち止まって壁にもたれたりその場にしゃが見込んだりするようにしましょう。イスがある状態なら座り、座っている時に動悸が起きたときは横になって安静にするようにします。動悸が起きている時は、とにかく動かず一番楽な姿勢を取ることが大切です。

ゆっくりと深呼吸で落ち着かせる

ゆっくりと深呼吸で落ち着かせる

動悸が起きてしまった時は、安静にしてゆっくりと深呼吸を繰り返すようにしましょう。息を整えることで身体がリラックスし、気持ちも落ち着いてくるようになります。動悸が起きている時は呼吸も浅く早くなりやすいので、呼吸を意識することで動悸もコントロールしやすくなります。深呼吸する時に、目を閉じて行うようにすると、よりリラックスしやすくなるでしょう。

シムスの体位で寝る

シムスの体位で寝る

動悸が起きてしまった時は、シムスの体位を取るようにしましょう。シムスの体位は、左側の身体を下にして横向きに寝て、右膝と右ひじを軽く曲げて前側にずらし、半分うつぶせの状態になった姿勢のことを言います。

この体勢を取ると、子宮により圧迫されていた下大静脈流の流れがスムーズになるため、血流が改善し動悸が落ち着きやすくなると言われています。また、妊婦にとって最も楽な体勢だと言われているため、リラックス効果も期待できるでしょう。

シムスの体位が取りづらい方は、クッションを使用したり、抱き枕に抱きついたりすることで同じ効果を得ることができます。

動悸の予防方法は

妊娠中の動悸はさまざまな原因により引き起こされやすいため、仕方がない部分もありますが、きちんと対策を取っておくことで予防することも可能です。どのような予防方法があるのか、詳しくご紹介しておきましょう。

鉄分補給で予防

鉄分補給で予防

妊娠中の動悸を予防するためには、鉄分不足にならないように気をつけることが大切です。鉄分が不足すると動悸や息切れを引き起こしやすいため、しっかり補給するようにしましょう。

鉄分はレバーに多く含まれていますが、ほうれん草や小松菜にも豊富に含まれています。ただ、植物性の鉄分は吸収されにくいため、ビタミンCと動物性タンパク質と一緒に摂るようにしましょう。ポン酢におかかを振りかけるだけで、鉄分の吸収率をアップさせることができます。

また、食事からとることが難しい場合や、鉄分不足が深刻な場合は、鉄分のサプリメントを処方してもらうようにしましょう。鉄分のサプリメントを飲むと、便秘になりやすいため、水分を多く摂ったり整腸剤を処方してもらったりして、対策を取るようにするのがオススメです。

動作はゆっくりとすること

動作はゆっくりとすること

妊娠中の動機を予防するためには、動作をゆっくりにするのが大切です。急に立ち上がったり姿勢を変えたりすると、身体の負担が大きくなるため動悸が引き起こされやすくなります。

特に妊娠後期はお腹が大きくなりやすいため、ひとつひとつの体勢を変えるだけでも大きな衝撃になるので、ゆっくりと行動するようにしましょう。

ストレスをためない工夫を

ストレスをためない工夫を

妊娠中の動機を予防するためには、ストレスをためないことも大切です。ストレスが溜まると自律神経を乱して動悸を引き起こすため、できるだけリラックスできるようにしましょう。

趣味の時間を大切にしたり、好きなドラマや映画を観たり、友達と話したりすることでストレスは緩和されやすくなります。妊娠中は安静にすることが多くなるため、1人で考え込むことが多くなりやすいため、意識してストレスを発散するように心がけましょう。

同じ姿勢を長時間続けない

同じ姿勢を長時間続けない

妊娠中の動機を予防するためには、同じ姿勢を長時間続けないようにすることも大切です。同じ姿勢が続くと、血流が滞り心臓に負担がかかって動悸が引き起こされやすくなるからです。

特に、あおむけの状態で寝る時間が長いと、下大静脈流を圧迫して動悸が引き起こされやすいため、こまめに姿勢を変えるようにしましょう。

身体を冷やさない

身体を冷やさない

妊娠中の動機を予防するためには、身体を冷やさないことも大切です。身体が冷えると、血管が収縮して血流が停滞しやすくなります。妊娠中は大きくなった子宮により血管が圧迫されやすいため、冷えて血流が停滞することで、より状態が悪化しやすくなります。

厚着をして身体を冷やさないようにしたり、ホッカイロで身体を温めたり、足湯や半身浴で血液循環を改善したりするのがオススメです。また、冷たい飲み物や食べ物も身体を冷やしてしまうので控えるようにし、常温か温かいものを口にするようにしましょう。

身体を適度に動かす

身体を適度に動かす

妊娠中の動機を予防するためには、身体を適度に動かすことも必要です。ストレッチやヨガ、ウォーキングなど軽い運動は筋肉をほぐして血流を改善してくれるため、動悸を予防することができます。適度に身体を動かすことで、ストレスも発散しやすくなりますし、気分もリフレッシュしやすいのでオススメです。

ただ、頑張って身体を動かそうと長時間運動し続けたり、激しい運動をしたりすると、動悸を引き起こしたり悪化させたりしてしまう可能性があるため、注意するようにしてください。

脚を高く上げる

脚を高く上げる

妊娠中の動機を予防するためには、脚を高く上げるのもオススメです。脚を高く上げることでむくみを改善することができますが、むくみだけでなく血液の流れも改善することができるからです。

子宮が大きくなると下大静脈を圧迫しやすくなるため、下半身に血液やリンパ液が停滞しやすくなります。血液の流れが滞ると心臓の負担が大きくなり、動悸が引き起こされやすくなるので、脚を高く上げて下半身の血液の流れを改善することで、動悸を予防することができるようになるでしょう。

動悸が頻繁に起こる場合は

動悸が頻繁に起こる場合は

妊娠中は、動悸が引き起こされやすくなりますが、あまりにも頻繁に動悸が起こったり、不安になったりするほど動悸が強かったりする場合は、医師に相談するようにしましょう。張り止め薬の副作用が強くなっていたり、妊娠高血圧症候群を引き起こしたりしている可能性があるからです。

また、妊娠ではなく他の原因や病気により動悸が引き起こされている可能性もあります。動悸が不規則な場合や、全身に脈を打つほど激しい場合は、きちんと検査を受けて原因を突き止めておくようにしましょう。

まとめ

妊婦の動悸についてさまざまな情報を幅広くご紹介しました。動悸が引き起こされる原因はたくさんあるため、ひとつだけではない場合もあります。不安な場合は、医師に診てもらい原因を特定すると安心です。

動悸が起きてしまった時は、無理をせずとにかく安静にすることを優先するようにしましょう。また、動悸を未然に防げるよう、さまざまな対策を取っておくことも大切です。

動悸が起きると、心臓に何か問題があるのではと不安になってしまいますが、妊婦の多くが経験していることなので、ひとつひとつ対処していくことで改善していくことができるでしょう。動悸についての知識を得て、しっかり対策を取ることで、不安のない楽しい妊婦生活を送れるようにしてくださいね。

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